ゴッドファーザー ドン・エディション（エレクトロニック・アーツ）

～本エントリはケンさんのお誘いで
映画ブロガーさんたちによる共同開催企画、
「ブログ DE ロードショー」に参加させていただいたものです。～

『ゴッドファーザー』との出会いは
幼少の頃に祖父の車で何度となく聴いた8トラカセットの
尾崎紀世彦版『ゴッドファーザー・愛のテーマ』でした。
でも元曲を知らない方だと
あの名曲も暴走族の（ホーンの）イメージなんだろうなぁ･･･

さて
今のところ全三作からなる
イタリア系アメリカ人のギャングファミリー、
いわゆるマフィアを描いた本シリーズ。
映画館で観たのは三作目だけですけれど、
本は一度読めば十分、映画も一度で結構、
ゲームもクリアしたら終了という場合がほとんどである
飽きっぽい自分が
それぞれ数回ずつは観たという思い入れのある作品です。



なぜに複数回も鑑賞して楽しめるのか･･･なんですが、
初期は
三国志のような群雄割拠ものとして観ていたように思うんです。
一口でニューヨークでの縄張り争いと言ってしまえばちっぽけな感もありますけれど、
雰囲気作りの妙や更なるノスタルジーを誘う音楽、
何より今風に言えばキャラの立った男臭い登場人物達が繰り広げる
終わりの見えない戦いに引き込まれたのでしょう。



それから
もう少し経ってから感じたのは
主題歌に『愛』のテーマとあるように「愛」でした。
マイケルの迅速な鞍替えっぷりにはおいおい（笑）と思いましたけど、
異性との愛はむしろ二の次で
家族愛・ファミリー愛のために
血で血を洗う抗争に明け暮れる男どもと
それを耐える、あるいは耐えきれなかった女たち
（ところで母の影が薄いのはアメリカ映画だからかな･･･？）、
まだ何も知らない無邪気な子供たち
その人間模様に興味をひかれていったのです。



そして
ひねくれ度数が増した今になって感じたのは
冗長になってもおかしくない尺でありながら
最後まで集中を保っていられるつくりの細やかさでした。
それも
今ごろのノンストップアクションや
クライマックスを多数配した演出とは違った
さりげない緊張感。
もちろん過去に観ていたから（あんまり覚えてなかったけど･･･汗）
というのはあるのでしょうが、
ルカがぶつぶつ言っていても
マイケルが山を散策していても
トムがクリスマスプレゼントを買っていても
爺さんが畑に出ても
いつも何かが起きそうな予感が漂っており息が抜けませんでした。



というわけでゲームの話題に入ります。

EAによるゲーム版『ゴッドファーザー』は
亡くなる直前のマーロン・ブランドが出演したこともあって
遺作のように言われ少し話題になりました。
扱う題材が映画史に残る作品だからか
原作の雰囲気を尊重したキャラゲーの良作となっています。


（左がルカ、右が主人公）

ざっくり説明すると
オリジナルの主人公が
ドン・コルレオーネの世話で
ルカ（映画では序盤でお魚さんになってしまった人）
の子分となり、
与えられたミッション（すべて暴力的）
をクリアしていくという内容です。


（普段の画像）

それだけを聞けば
「ああ、GTA（グランドセフトオート）の亜流ね」と
早合点しそうなのですけれど（自分もしてた）、
ソニーやトムは出演者本人が声をあてているなど
むしろ力点はキャラゲー部分にあると思われるため、
GTAと比べてどうこうというゲームでは無いようです。

なので数あるミッションも、
葬儀屋の娘の敵討ちを
ポーリーと一緒にする（これは派手に痛めつけるだけ）というものから
ルカを会談場所に車で送っていき
彼が海の底に送られるのを目撃するもの、
果ては交渉に応じない映画プロデューサー・ウォルツの愛馬を･･･
という次第で、
映画を観ていて思い入れがあるゲーマーだと
本編に出てこない場面（裏側）を垣間見ることができ、
トムがお馬ちゃんを云々みたいな荒事をするとは思えなかったけど
そうか、俺様が･･･（え）
と補完することもできるようになっています。


（主人公とポーリーたち）

原作を尊重した作品ゆえに（そういう取り決めかしら）
主人公の行動が大筋には影響しないことや、
『海の底』のミッションのように矛盾が生じているエピソード、
何よりアル・パチーノが他社と独占契約をしていたとかで
マイケルが別人であることなど不満もいくつかありましたが、
キャラゲーとしては相当な良作であると思います。

ゲーム自体は
PS2からの移植ゆえグラフィックが物足りないこと、
その他のキャラクターのバリエーションが少なすぎて
同じ人が街に何人も歩いていて興ざめなこと、
PS3版は倫理上の制限が多く変な部分があること、
敵対関係だと
こちらが構える暇もないくらいの速さで猛烈な攻撃がくるのに
難易度調整がないこと、
新型機のソフト全体に言える事ながら
字幕の文字が小さすぎること
その辺りは結構不満でしたけど、
なかなかに面白い作品でした。

※画像は（c)Electronic Arts Inc. Paramount Pictures.ソースネクスト

EA BEST HITS ゴッドファーザー ドン・エディション【CEROレーティング「Z」】

• 出版社/メーカー: エレクトロニック・アーツ
• メディア: Video Game

（よろしかったらポチお願いします）

（追記9/6）
スパムコメントが続々来るため画像認証に戻させていただきました。
ご了承ください。

タグ：ゴッドファーザー

コメント 12

どらお師匠ｷﾀ━━━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━━━!!!!
ここに映画のトラックバックを飛ばせるのが嬉しいなあ（笑）。
（飛んでなかったらスミマセン）

『ゴッドファーザー』、お好きだったんですね。
ソースネクストの「超字幕シリーズ」で御覧になったのかな。
自分も記事を書くとき、買っとけばよかったと思いました。

映画の内容のまとめも三段階で面白いですが、
そこからゲームにつなげる辺りがさすがです！
正直ボクも、よくあるGTAフォロワーだと思ってましたが、
原作の雰囲気を味わえるゲームみたいですね。
葬儀屋の娘の仕返しは、やってみたい。
死なない程度にボコボコに（笑）。

今回は、ゲームブログのどらおさんをお誘いしましたが、
こちらの期待に見事にこたえる記事を書いていただき、
本当にありがとうございました。
by ケン (2010-08-26 23:46) 

おはようございます。
miriさんが画像認証で弾かれたそうなので、代りにコメントを投稿します。

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初めまして☆
どらおさん、このたび、ケンさんのご紹介でお邪魔させて頂きました「映画鑑賞の記録」というブログのmiri（みり）と申します。
今回は、この企画にご賛同くださり、ご鑑賞・レビューを有難うございました☆

＞今ごろのノンストップアクションや
＞クライマックスを多数配した演出とは違った
＞さりげない緊張感。

本当に現代の演出と違う部分で、この映画の素晴らしさをたくさん感じました。

＞映画を観ていて思い入れがあるゲーマーだと
＞本編に出てこない場面（裏側）を垣間見ることができ、

ゲームになっているのを知らなかったのですが、こういう部分などケンさんがお喜びになりそうですね～！

もし宜しかったら、私のブログでの、この企画の記録の記事（http://saisenseisuki.blog97.fc2.com/blog-category-19.html）に、どらおさんのこの記事を、リンクさせて頂けないでしょうか？
ご了承が頂けた場合、そうさせて頂きたいと思います☆

では、まだまだ暑さが続きそうですので、ご自愛下さいね～♪
by ケン (2010-08-27 09:03) 

初めまして、「忘却エンドロール」の宵乃です。
企画には鑑賞のみで参加してます。

＞いつも何かが起きそうな予感が漂っており息が抜けませんでした。

わたしも随分前に観たので内容をあまり覚えていなかったんですが、息が詰まる思いで観てました。
それが最初から最後まで続くので、観終わってどっと疲れてしまうんですよね（笑）

ゲーム版『ゴッドファーザー』のことはタイトルしか知らなかったので、内容や画像がみられて嬉しいです。
わたしも葬儀屋の娘の仕返しはしてみたいけど（顎をね・・・！）、愛馬のミッションは嫌ですねぇ。一体、何を使って切ったのやら・・・ブルブル！

映画とゲームの取り合わせ、とても面白かったです。わたしはゲームの記事はたま～にしかアップしませんが、どうぞよろしくお願いします。
by 宵乃 (2010-08-27 11:21) 

ケンさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
トラックバックもありがとうございます。
衛星映画劇場を録画したものがあったはずで
そちらを観る予定だったのですが、
ちょっと見つからなかったので
ソースネクストくじで買ったUSB版で（初）鑑賞させてもらいました。
ゲームはですね、
やはりゲームブログなのでつなげたかったとでも言いますか･･･（笑）
お誘いにくわえ
既に持っていた作品をお題にしていただいたこと、
感謝しております。
あと仕返しなんですが、
指示された痛めつけ方をしないと
何十発殴っても若造どもの体力が減らないので、
あまりスカっとはしない事を付け加えておきます（汗）。
それから
miriさんの件もありがとうございました。
by どらお (2010-08-27 14:03) 

miriさん、はじめまして。
いつもケンさんのブログで暖かいコメントを拝見しておりました。
それはそうと
この度は二度手間をとらせてしまったようで
誠に申し訳ありません。
ちょっと原因が分からないので
本エントリの画像認証を無効にさせていただきました。
それから
『映画鑑賞の記録』への記録の件、
どうぞよろしくお願いします。
ちなみにゲームの紹介部分は
おっしゃるとおり
ケンさんのブログで葬儀屋の場面が書かれていた事が念頭にありました（笑）。
あと
最後の一言もありがとうございます。
夏バテしやすいたちですけれど、
がんばって乗り切りたいと思います。
by どらお (2010-08-27 14:23) 

宵乃さん、はじめまして。
ゲームもされているような事を
ケンさんとのコメントのやりとりで見ていたので
「忘却エンドロール」もちょくちょく読ませていただいてます。
ミサイルかわいい～とか自分も雷様好きだけど
言われてみると眠狂四郎ってそういう面があるなぁ･･･などと思いつつ。
話を戻しますが
『ゴッドファーザー』が観終わるとドッと疲れるというのはホントそうですよね。
外で観てたらご飯も食べずに帰ったんじゃないかと思います。
それから
ゲーム部分も楽しんでいただけて良かったです。
葬儀屋の娘の敵討ちでは出かける際に
傷跡もまだ癒えていない娘さんが窓から見ておりとても痛々しいのですが
復讐相手へのダメージが見た目で反映されないため
その辺は限界なのかなと思いました。
お馬さんの方は切断するのは連れなので（自分は警備員が相手）
一応傍観者的立場です。
後味が悪いことには違いないですが･･･。
こちらこそどうぞよろしくお願いします。

by どらお (2010-08-27 14:44) 

はじめまして！
私もこのブログＤＥロードショーに参加させて頂いた者です！

＞異性との愛はむしろ二の次で
＞家族愛・ファミリー愛のために
＞血で血を洗う抗争に明け暮れる男どもと
＞それを耐える、あるいは耐えきれなかった女たち

私も一応映画レポを書いたのですが、
ああ、これだ、これを言いたかった！と思いました。
たった４行で表現されたどらおさん、凄いです。
私は、「家族愛」と「ファミリー愛」で分けてしまいましたが；；

家族を重んじていた初代ヴィトー。
マイケルはその意思を継いでいるようで、
ファイミリ―を重んじているだけ。。。というのが
悲しいです。

今後は続編も観漁っていこうと思います！
ゲームもおもしろそうですね…！
でもこういうアクション系のゲームって
とことん下手そうで無理っぽいです…；；
by なるは (2010-09-07 12:06) 

なるはさん、はじめまして。
コメントありがとうございます。
ケンさんとのやりとりや『陽面着陸計画』を
度々拝見させていただいてます。
今回ケンさんに誘っていただいて
ゲームもうまく絡められそうだったため、
映画ブログを持たないアウトサイダー的立場ながら
参加させて貰いました。
なので普段から映画を扱われている
皆さんに誉めていただくのは少々気恥ずかしいのですが
とてもうれしいです。
ありがとうございます。
自分の場合
ヴィトーとマイケルの差についてもやもやしていたのですけれど、
なるはさんのコメントで納得がいきました。
仰るとおりマイケルって家族愛が薄いんですよね。
ファミリーへの情熱はもの凄いですけど･･･。
ちなみに
ゲーム自体は
下手の横好きゲーマーの自分も遊べる難易度ですが
なにしろ暴力的なので人を選ぶと思います＾＾；
by どらお (2010-09-07 23:04) 

車で何度となく聴いた8トラカセットの
尾崎紀世彦版『ゴッドファーザー・愛のテーマ』でした。
でも元曲を知らない方だと
あの名曲も暴走族の（ホーンの）イメージなんだろうなぁ･･･
by agario unblocked (2023-08-13 23:04) 

mt2 forumunda metin2 pvp serverler kategorisinde metin2 tanıtımları mevcuttur
by mt2 (2023-08-14 21:46) 

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by metin2 pvp serverler (2023-08-15 03:35) 

“Its only after we have lost everything that we are free to do anything.” - Fight Club .
by Filminadresi (2023-12-01 19:52)