SSブログ

ファイアーウーマン纏組(徳間書店) [プレイステーション]

国産ハードは大概遊んできた自分ですが、
遊んでない機種に関しては
触ったことすらないものがほとんどでして、
PCエンジンで人気を博したNEC-HEによる最後のハード、
PC-FXも一度も触ったことがありません。
あ、
触れたという意味では中古店で触ってますけどね。

そんなPC-FXは
2D(アニメ)表現に性能を傾けたこともあり
ラインナップもあいまって
美少女ハードという印象の強いハードでした。
そんな中にあって本作は人気を博し
のちに移植版がプレイステーションで発売されたのでした。

このゲームはジャンルとしては
一応ギャルゲーという事になりそうですが、
格闘学園シミュレーション・ギャルゲー風味という方がしっくりくる感じでして
ギャルゲーに関しては
簡単に仲が良くなることやそれ系の演出が少ないこと、
特にデートは週末に自動的に相手が決まって一枚絵
という有様なので
ギャルゲーとしては全然物足りないと言って差し支えないと思います。

matoigumi.jpg
(纏組とは犬猿の仲の風紀委員とも仲良くなれる)

matoi4.jpg
(問題の手抜きデート画面)

じゃあダメなキャラゲーみたいなゲームなのかと言えばそうではなく、
なかなかに手の込んだ
実に味のある佳作だったりするのです。

matoi7.jpg
(纏組リーダー・一番纏のお涼こと涼子。三年生)

fire.jpg
(二番纏で何も考えてない風味のさやか。二年生。画像は数少ないサービスショット)

matoi6.jpg
(三番纏でお嬢様のひろみ。一年生。喧嘩は強くないのでアイテムで攻撃)

というわけでどんなゲームかざっと説明しますと、
男女共学の白鷺学園に転校してきた主人公(性別は男性固定で学年は選べる)が
ひょんな事から学内の治安維持グループ「纏組」のメンバーとなり
トラブルに巻き込まれた生徒達を助けていく(揉め事の火を消すってこと)・・・
といった感じなんですけれど、
実はそちらを放っておいても構わないのが
このゲームの素晴らしさだったりします。

gps.jpg
(ギャルがどこに居るか分かるというとんでもない機械、GPS。これでトラブルを見つける)

勉強に励んだり部活に打ち込んだり
女の子をつけまわしたり
校医の変態活動を邪魔したり(手伝ったり)
ただ学内をぶらぶらしたり・・・
作り込みが実に丁寧であるため
何をやろうと相応に面白いです。

matoi2.jpg
(自分の噂を盗み聞き)

ドット絵キャラをはじめとした芸の細かさも
PS・SS時代に完全になってしまいそうな時代にありながら
オールドゲームの最後の輝きの如く光っておりました。

matoi.jpg
(この場合、音声は二人の口げんかが早回しで繰り返される。ちなみに校医は犯罪的に変態)

ゲーム的な面白さといえば、
トラブルの火消し行為である喧嘩、
その喧嘩におけるバトル部分は外せません。
これは持っている技を各ボタンに登録しておき
バトル時には制限時間内に四つまで技を先行入力し
演出フェーズでその結果を眺めるというシステムになっており、
結構考えさせる作りになっております。
強い技は隙が大きいため
弱くても速い技なら簡単に崩せるなど、
押せ押せ一辺倒では駄目で
相手の行動や攻防を短時間で考えて入力せねばならないという
歯ごたえのあるものになっていました。

battle.jpg
(1対2の変則バトル。対複数戦は厳しい)

なお
勉強や部活なんて行為も
文化系ならアイテム操作、
スポーツ系ならHP強化、
格闘系なら喧嘩技(それぞれ例外あり)
というように
バトル強化にいそしむならばこちらも戦略的であり、
そういうプレイヤー向けのライバルキャラクターも
ちゃんと存在しているのでした。

そうそう、
元がアニメ系ハードだけに
出演声優も妙に豪華ですよ。

fire2.jpg
(のぞきがばれて制裁を食らった校医と主人公。涼子は夏服)

ジャンルがジャンルだけに人は選びますが、
効率化が強く求められる現在では
このようなコツコツ作ったタイプのゲームは
登場しづらいだろうなと思える、
手間暇のかかった良作でした。

ゲーム業から撤退した会社の作品は
倒産した所の作品以上に
ゲームアーカイブスやバーチャルコンソールに出てこない印象を
個人的には受けているのですけれど、
ハードルを乗り越えて配信して欲しい作品のひとつです。


pack.jpg

ファイアーウーマン纏組

ファイアーウーマン纏組

  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • メディア: Video Game




ファイアーウーマン纏組 【PC-FX】

ファイアーウーマン纏組 【PC-FX】

  • 出版社/メーカー:
  • メディア: Video Game

(こっちはFX版)

blogram投票ボタン
(よろしかったらポチお願いします)

タグ:纏組
nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ゲーム

nice! 0

コメント 2

ケン

こんばんは。

ボクもPC-FXには触ったことがありません。
当時は存在も知らなかったような(笑)。

このゲーム、見た目はギャルギャルしいですが、
ガッツリと作りこまれてそうなのは、記事からよく分りました。
時代やハードの特徴が強く出てる感じです。

それにしても、のぞきをする校医は最低ですね(笑)。
いまでは厳しい設定かも。
「明るいエッチ」みたいなのを、最近見ない気がします。
by ケン (2010-02-03 23:29) 

どらお

ケンさん、おはようございます。
コメントありがとうございます。
PC-FXについては
大きくてパソコンの本体みたい・・・と当時思っておりました。
本作は
仰るとおり見た目はギャルだらけなんですけど、
校内の名もない生徒達も週ごとに台詞が変わったり
それぞれ性格付けがされていたり(勉強家とか)
作り込みにはちょっとした執念を感じました。
それから
言われて気づきましたが
明るいエッチって見かけなくなりましたね。
以前は週刊漫画誌は元より
月刊少年誌などでも必須要素だったように思うのですけど・・・。
エッチまで鬱々しいものになってしまったのは
世相を反映してるのかしら。
by どらお (2010-02-04 10:05) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。