バテン・カイトス 終わらない翼と失われた海(ナムコ) [ゲームキューブ]
最近ロールプレイングゲームをするのが億劫になりかけていた私ですが、この作品のお蔭でかつての熱い時間が久々に戻ってきました。
そしてエンディングの余韻の中、このゲームの特徴を一言で言い表せないかと考えてみたところ、「新しくて懐かしい」というフレーズが浮かんできました。
ゲーム業界自体が守りに入っている現在、RPGの大作はほとんど人気作の続編であり、オリジナルのものはSCEなど一部からしか出てこないのが現状です。そんな中、一時のスランプ(失礼)を脱したナムコから(制作会社発とはいえ)このような作品が出てきたことをうれしく思います。
さて、この作品は戦闘や装備、回復、アイテムの使用など多くの行動をカードで行います。そう聞いて、カードゲームは苦手なんだけど……とか、細かく作戦を立てたりするのが面倒臭そう……などと思われる方もいるでしょう。
結論から言うと、心配無用です。カードゲームとは違って直感的な判断の方が重要であり、制限時間も絶妙の短さなので、いつも適度の緊張感の中で戦えます。アイテムの使い方によっては(海老+釣竿で鯛、のように)新しいアイテムができることもあり、敵もアイテムを落とすので、雑魚との戦闘も苦になりません。なお、一部アイテム(主に食べ物系)は時間がたつと変化(饅頭が青カビ、氷が水、牛乳がチーズなど)してしまうので、デッキのチェックはまめにしたほうが良いでしょう。
それから、カードの多くには属性があり、光=闇・火=水・空=時がそれぞれ対になっており、苦手なもので攻めればダメージが上がるのはもちろんですが、同時に火と水など反属性のマグナスを使うとそれらが相殺されて威力が激減してしまいます。自分は(魔法キャラ二人に限ってですが)、光と火と空のような反属性の無い手抜きデッキを作って間違いが起きないようにしていました。
一方、それぞれのカードの角には(1~9までの)数字が1~4個付いており、この数字を揃えることで攻防共に多くのボーナス(上手くやると倍かそれ以上の威力になる)を得ることができます。1・2・3のようなストレートの方がボーナスも多いのですが、制限時間が有りじっくり構えているとパス扱いになってしまうので、7・7・7のようなゾロ目の方が狙いやすいです。ちなみに魔法系のキャラ(シェラ、ミズチ)の方が持ち時間がやや長いので、使いやすいです。
※以降、ストーリー紹介で若干ネタバレが有ります。
本作では、プレイヤーは主人公ではなく、主人公に憑依?している精霊です。一見、一体感が無く感情移入を阻害しかねない設定のように思えますが、このおかげで中盤の大胆な展開も違和感無く進められましたし、そのことがストーリーにも何かと絡んでおり、飽きさせませんでした。
それに、TV外のプレイヤーに話しかけてくる作品は以前にもありましたが、本作の場合は奇をてらった風が無いため嫌味に感じることも無く、主人公と自然に接することができました。
そして、大団円とかカーテンコールといった呼び方をしたくなるラストも、この設定ならではの演出でした。
個人的にRPGの醍醐味のひとつは、一個の完結した見知らぬ世界での旅(冒険)だと思っているのですが、このバテン・カイトスではシステムの新規さも相まって、それを堪能することができました。
また旅に出たいなぁ、と思わせてくれる作品に出会えて、感謝しています。
なお、近日発売予定の続編は、任天堂から発売されるようです。
(毎日ゲームクエストに投稿したものを再構成しました)
こんにちは。
いただいたコメントのリンクから飛んで参りました。
このゲームは、「RPGとはこういうものだ」と、いつの間にかわかった風になっていた私に、冷水を浴びせてくれた思い出深い作品です。
実は、私、あのお姫様を全くと言っていいほど育てていなかったので、一時は本気でリセットして最初からやり直そうかと思いました。
結局、そのまま続きをプレイして大丈夫だったのですが、そのあたりのバランスも、今思えば絶妙でした。
もうじき2が発売されるようですが、また、あの時のような衝撃を与えてくれるのか、期待半分、不安半分で待っているところです。
by setakemura (2006-01-30 20:14)
訪問、有難うございます!
確かに、姫を育ててない場合は中盤に焦りそうですね。
自分は回復要員として育てていましたが・・・。
それでも大丈夫なバランスとは大したものです。
続編ですが、
発売が任天堂になって、さらに面白くなってくれている事を期待しております。
by どらお (2006-01-30 22:00)