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ようこそひつじ村 ポータブル ぐっどぷらいす(サクセス) [PSP]

ひつじ村にやってきた主人公が
農作物や家畜を育てて自分の牧場を広げていくという
シミュレーションゲームです。

この「ひつじ村」シリーズは
PS2版、DS版、そしてこのPSP版と出ておりますが、
PSP版はいわばPS2版の改良作なので(DS版だけ別物)
過去にPS2版をやり込んだ方ならば
あえて買うこともないように思いました(PS2版の攻略本まで買った人・談)。

なお
同様のコンセプトの作品で「牧場物語」シリーズがありますけれど、
あちらが牧場生活の楽しげな部分をクローズアップしたつくりなのに対して
こちらは厳しい部分をより取り上げている感が強いため
「ぼくもの」にはまった人が気に入るとは限りませんし、
あちらが今ひとつと感じた人がこちらは気に入ったなんて事もあり得る作品だと思います。

本作の画期的な部分はいろいろとありまして、
まず、
お金の概念が無いことが挙げられます。
この世界ではほとんどの流通が物々交換で成り立っており、
当面の目標である羊を獲得するためには
牧草の種を植え
成長したら刈り取って干し
干し草になったらマーモットと交換し
マーモットが成長したらマーモットの肉にして
マーモットの肉をキャベツの種と交換・・・(中略)・・・
最後にワインと羊を交換。
というように自力でのわらしべ長者といった塩梅でして
これがなかなか面白いところです。

hituji4.png
(それなりに進んだ頃)

次に上にも少し書いてますが
家畜を肉にすることや、
野生動物と野生化した家畜の襲撃による被害、
大きな家畜が残すフンは邪魔で見た目もあれだけど置いておくとそのうち肥料に変化するなど
これまで触れられなかった部分が表現されていることはインパクト大でした。
自分もプレイ当初は最初の家畜であるマーモットを肉にしてしまう事に対して
結構な抵抗感を覚えたものですが、
じきに慣れてくるのがまた凄いなと思います。
続けているうちに
大型家畜の餌が切れたから
鶏をしめて大根に交換して・・・みたいに考えるようになります。

牛肉は牛で鶏肉はニワトリで豚肉は豚だと頭では分かっていても
間がスッポリと抜け落ちていることもあって
実感としてつかめていないような
産地と離れたところで暮らす人間が
肉とは生き物をいただいていると考えるだけでも
なかなかに意義深いことなんじゃないかと思います。

hituji3.jpg
(相棒の喋るアヒル・ブラミーによる日記)

このPSP版は主人公の性別選択はできず(男)、
イベントで村人は出てくるものの
彼らとの絡みはそれくらいなので、
恋愛とかそういう物は一切ございません。

hituji2.jpg
(ブラミーを押しつけた・・・ヒロイン格のクレア)

hituji5.jpg
(キャッツアイじゃないけど三姉妹)

というわけで
孤独な作業のようにも思えますが、
遊んでいるとそういう風には感じませんでした。
厳しいけど暖かい雰囲気が良かったのでしょう。

孤独に感じない一因でもある
本作の重要な存在に犬がありまして、
種類やら役割が細かに設定されております。
その犬も作物と交換したり
犬二匹で上位の犬種一匹と交換して増やします。

犬はそのまま牧場で飼っていると
野生動物から牧場を守る助けになったり
それぞれに設定された農作物を移動させたりしてくれるのですが、
狩猟用犬舎に登録すると
狩りに連れて行くことができます(登録した犬だけ命名可能)。
これは犬のみを使った狩りで
内容は害獣退治や逃げた家畜の回収なのですけれど、
村人からのお誘いが無いと行くことができません。

hituji.jpg
(次女はツンデレでその彼女からのお誘いとか自分で補完しよう)

狩り自体はRPG風の戦闘で
ターゲットに合わせた編成
(穴にもぐる相手ならダックス等)じゃないと
何も出来ずに終わることもあり、
お誘いは基本ぶっつけ本番なので
結構頭を使います。
しかも連れに勝たないと失敗扱いになり
ただの骨折り損で終わってしまうため
緊張感のある戦いとなっています。

hituji6.jpg
(手前六匹のうち右の三匹が自分の犬。としおが攻撃中)

細かいドット絵やホンワカしたキャラクター等イベントグラフィック、
ケルト音楽のような聞きやすいBGMなど
長く遊ぶのに快適なつくりの本作は、
羊をゲットした後も更なる家畜や農作物が出てくるため
やめどきが難しい作品でした。

PSP版のみの機能としては
マップ画面をスクリーンショットとして撮影することができます。
しかも全体図まで残せるのですが、
マップはバラバラの20枚ほどに分割されるため
後で組み合わせるのがパズル的に苦労しました。
と思っていたら、
公式ページで配布されているツールだと簡単に合成できると後で知りました(涙)。

hitujimap.jpg
(クリックで拡大。左下のスペース分もう一段階拡張できる)

あと
PSP版のちょっとした遊びで
セーブデータに村人のコメントが入っており、
セーブロード時には途中までしか読めず
全てを読むにはシステム画面から確認という手間がかかるのですが、
その残り部分がたいてい
本作のマスコットでもある喋るアヒル・ブラミーについてで笑わせてもらいました。

そうそう
この感想文のタイトルが「ぐっどぷらいす」となっているのには訳がありまして、
廉価版についているオマケは
なんとmixi(ミクシィ)アプリのアイテムコードという前代未聞の物でした。
過去にもパンヤとか
PCゲームのアイテムがオマケというゲームはありましたけど、
年齢制限のあるソーシャルネットワークサービスのアイテムって・・・
といろんな意味で驚きました。

mkuma.jpg
(特典・熊の剥製・・・ブラミ、じゃなくて害獣を防ぐ)

と言いつつそのミクシィは
この春から招待制や年齢制限を撤廃するという噂です。
なのでちょっとそちらも紹介します。

現在アプリとして提供されている
「みんなで暮らそう! ひつじ村」は
このPSP版を元にした移植作品です。

00-11.jpg
00-21.jpg
00-31.jpg
(同じ絵だけどミクシィ版の方がフルに楽しめる)

アプリ移植に際し、
容量や軽快な動作のためか
いくつかの要素を削っており
(性別選択可能など追加要素もあり)、
中でも狩りはまるまる割愛されています。
なので犬の存在意義がずいぶんと薄れてしまった感はありますが、
PSP版では狩りで楽ができすぎたため
(例としては羊ゲット前に羊毛を得られたり)
なかなかの好移植だと思いました。

本サービス開始後の再バランス調整でブーイングが出たり
SNSでの課金事業の難しさを感じさせるものはありますけれど、
他の作業的カジュアルゲームと一線を画す
ゲームメーカーによるゲームとして
今後も頑張って欲しいと思います。

※画像は(c)サクセス


ようこそひつじ村 ポータブル ぐっどぷらいす

ようこそひつじ村 ポータブル ぐっどぷらいす

  • 出版社/メーカー: サクセス
  • メディア: Video Game



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タグ:ひつじ村
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setakemura

このゲームは、オマケのおかげで随分売り上げを伸ばしたんじゃないかと…
かくいう私も、本体を持っていないのに買ってしまいそうになりました(笑)

DS版は、動物を自宅の作業台で解体しますが、
PSP版は、あくまでも「交換」に徹しているところが、特徴なんですね。
DS版の家畜があまり可愛さを感じさせない記号的な絵柄なのも、
その辺への配慮かというのは、深読みしすぎでしょうか。
DS版では、人間が食べる分もしっかり確保しないと
人間まで餓死する危険がありますが、
PSP版では、そのあたりがどうなっているのか気になります。
by setakemura (2010-01-24 23:49) 

どらお

setakemuraさん、おはようございます。
コメントありがとうございます。
オマケが売り上げを後押しというゲームは
過去にもいろいろありましたけど、
これは中でもかなり異色ですね。
同梱するのは紙一枚でいいですし(笑)。
それから
ご質問の件ですが、
おっしゃるようにPSP版では解体は自分ではしません。
そして人間の食べ物という概念が無いので
餓死もありません。
と考えると
後発のDS版の方が更にシビアというか現実的みたいですね。
イノシシが肉と腸と血と脂になるなんて凄いと思います。
by どらお (2010-01-25 08:53) 

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