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真・女神転生 NINE スタンドアローン版(アトラス) [Xbox]

 近未来。核で破壊された東京では、人類は地下に居住せざるを得ず、旧東京をモチーフにした電脳空間にダイブして過ごすことが流行していた・・・。

 本作ではこの電脳空間が舞台であるため、デジタルデビル色がさらに強くなっており、悪魔のカスタマイズも圧縮・暗号化・プラグインソフト化など、それらしくなっています。

 一番の新要素は、電脳空間内のネット対戦ともいうべきRTSバトルでしょう。複数のパーティーを配置して仲間パーティーと共に敵の本陣を目指す陣取りゲームのようなものですが、リアルタイムで進行する上、コツを飲み込むまでに少々時間がかかるのでメガテン経験者でも苦労するかもしれません。ちなみに、序盤で仲魔になるスフィンクスをプラグインアイテムにすると割合楽に戦えます。

 通常戦闘では、複数の仲魔で同じ特技(魔法)を使った際に発生する多重攻撃がとにかく強力なので、うまい多重攻撃を出せるメンバーのほうが、レベル的に豪華なメンバーよりもはるかに強いです。
 これは敵にも言えることで、強力な一匹(ボスとか)よりも、鳥人グループの方が脅威だったりします。相手パーティーは同種の悪魔が複数いることも多く、通常エンカウントだからといって少しも油断できません。
 なお、主人公も装備品に付いている特技や魔法を使うことによって多重攻撃に参加できますが、主人公が倒されると即ゲームオーバーというシビアなルールなので、安全に行くなら後列を指定席にせざるを得ません。ただ、前列の四人で繰り出すデスバウンドのすさまじい破壊力などは魅力で、前列に出したい衝動に駆られることも多かったです。

 それから、おなじみの悪魔との交渉は相変わらず面白く、うまく会話できれば通常戦闘をろくにせずとも先に進めるうえ、多様なアイテムも入手できます(主人公はストーリー進行と特殊アイテムによるレベルアップであり、悪魔も合体で強化するため、経験値稼ぎのための戦闘は無い)。ただ、戦闘を重ねないと作れない種族もあるというのが憎いところです。

 ストーリーは、電脳空間でユーザーと共にいるナビが、悪魔の形を模して作られたプログラムに過ぎないのか、それとも欲の香りに惹かれてきた本物の悪魔なのかという疑問から始まり、ゴトウやスティーブン、ケルベロスなどという懐かしい名前も絡みつつ、ロウとカオスの対立へと進んでゆくのですが、エンディングを迎えてもすっきりしないあたりはやはりメガテン、といったところです。
 メガテンを遊ぶ度に感じることに、いくら純粋であろうとも、話してわかり合えない人間ほど悲しい存在はなく、大勢の人間がいる社会で生きていく限り協調性や折り合いといったものが必要である、というものがあります。悪魔の方が会話で戦闘を回避できるというのは痛烈な皮肉かもしれません。
 余談ですが、本作ではネット依存についても皮肉な表現が満載です。

 そういえば本作が発表された当時、悪魔絵師こと金子氏の描く色気のあるお姉ちゃんが好きだった私はキャラクターデザイナーの変更に若干不安があったのですが、プレイしたところ、あっさり馴染んでしまいました。今回のデザインの梅津氏が、初代メガテンの北爪氏と系統が近いのが大きかったのだと思います。

 何かと敷居が高そうな雰囲気が漂う作品ですけれど、遊んでみて損のない作品です。古くからのRPG好きには男女かかわらずプレイしてもらいたいです。主人公の性別も選べますので。

(毎日ゲームクエストに投稿した物を一部修正しました)

真・女神転生 NINE スタンドアローン版(通常版)

真・女神転生 NINE スタンドアローン版(通常版)

  • 出版社/メーカー: アトラス
  • 発売日: 2002/12/05
  • メディア: ビデオゲーム


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