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くまたんち(ディンプル) [ニンテンドーDS]

その昔、
海外で発売された
「リトルコンピューターピープル」というゲームがありまして、
ゲーム内に住んでいる人間の行動を眺めるという
何とも不思議な内容の作品だったようです。
後にアレンジ移植された「アップルタウン物語」として
日本の家庭用ゲーム機(ディスクシステム)にも登場したので、
そちらはワゴンセールで手に入れたなんて方も多いんじゃないでしょうか。

ただ、
上記の本家たちはゲーム性がかなり希薄であり
眺める以外に出来ることが少なく、
それゆえ飽きられるのも早かったのですが、
そこから一歩進んだ形で
プレイヤーが介入出来る部分を強化したのが
スーパーファミコンやニンテンドウ64で好評だった
「ワンダープロジェクトJ」や
ドリームキャストやPS2でちょっとした人気だった
「ルーマニア#203」でした。

この「くまたんち」も
介入できることが多いという点では進化系とも言えますが、
熊の少女くまたんの住んでいた貧乏な動物園の改装で
一時的に主人公が勤務する動物園で預かる事になったという
シンプルなストーリーはむしろ本家に近いですし、
本作の肝とも言える凝りに凝ったドット絵は
レトロゲームに近い雰囲気を醸し出しています。
それでいて時計に連動させてご飯を与えるペット系の要素や
芸を覚えさせて人気者にする事でお金を稼ぎ
調度品などを整えていくという育成的要素もあり、
何かと欲張りな内容になっています。

くまたんをはじめとした動物たちは擬人化されており
萌えキャラっぽい部分はもちろんあるのですが、
彼女らの丸っこいデザインや全体的なトーンが相まって
実にほのぼのとした空間を作り出しています。
ただし登場キャラ自体は
男性(オス)は変態ぞろい(大抵ストーカー)なうえ
女性(メス)は二面性が隠されている事が多くて
そのちょっとした毒がいいスパイスになっていました。

DSCF0722.JPG
DSCF0763.jpg
(サッパリしたボーイッシュなキャラを演じるトラのおねえさん)

DSCF0752.JPG
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(天然キャラを意識しているグラビア系の乳牛さん)

なお、
本作の(文字通り人間の)登場人物は
擬人化された動物たちと普通にコミュニケーションがとれているようで
彼らとプレイヤーは近い感覚を持っているのではないかと思われますが、
売店の女の子(すもも)だけは
ごくごく普通の動物にしか見えていないようで
その辺もなかなか不思議な味わいがありました。


DSCF0742.JPG
(唯一の一般人すもも。プレイヤーの性別で揺れが違うらしい)

ハッピーエンドを迎えると
他のエンディングも漏れなく見られるようになったり
何かと親切な作りの作品ですが、
特筆すべきは
やはり作り手の顔が見えるという事でしょう。
ゲーム制作の規模が大きくなって以降、
船頭や船員が多くなりすぎたからか
作り手の顔が見えづらいゲームばかりになってきた現在、
こういう少人数で手間をかけて作ったという作品は
貴重な存在だと思います。

※画像は全て(c)ディンプル/ヴァニラウェア


くまたんち

くまたんち

  • 出版社/メーカー: ディンプル
  • メディア: Video Game



タグ:くまたんち
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コメント 8

setakemura

ストーリーが、リアルタイムの2週間で終わると聞いて、
ちょっと遊ぶつもりで始めたが最後、
かなりの長期間にわたってくまたんのお世話をしておりました。
最近では、すっかり放置してしまっていて、
くまたんに会いに行くのが怖いくらいです。
ご飯を食べる時の描写が細かくて、
全種類のリアクションを眺めて楽しんでおりましたが、
朧村正の茶店の食べ物が同じスタッフの手によると聞いて、
そちらの方もぜひ遊んでみたいと思っております。
by setakemura (2009-06-02 00:00) 

どらお

setakemuraさん、おはようございます。
コメントありがとうございます。
自分もそうでしたね。
「まいにちいっしょ」的な寂しさは覚えるだろうけど
すっぱり終わるだろうと思ってました。
今ではイベントを全部見ようと
一日二回は起動しております(汗)。
家具や遊具のリアクションもいいですけれど、
ご飯は特に見ていて楽しかったですね。

そうそう、
朧村正もそうなんですが
同じ制作会社の初期作品「プリンセスクラウン」(セガサターン・PSP)も
食べ物が美味しそうと話題になったんですよ。

by どらお (2009-06-02 07:25) 

ケン

キャラのかわいさに負けて購入しましたが、
面倒くさがりのボクは、予想通り長持ちしませんでした。

でも、あの「乳揺れ」の仕様は衝撃的でした!
by ケン (2009-06-02 08:59) 

どらお

ケンさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
自分の友人も放置してた後の反応にショックを受けたそうですが、
こういうタイプのゲームって向き不向きが結構ありそうですね。

揺れはホント揺れてましたね。
それで乳牛さんのキャラがかぶって
存在が薄くなってしまったのは
ちょっと計算違いだったかも?なんて思いました。
by どらお (2009-06-02 17:36) 

kncafe

一昨日くらいにコメントを書いたと思ったのですが、寝ぼけていたのか送信できていなかったようです。もし勘違いで他の記事に同じ内容のことを書いてしまっていたらごめんなさい。。。

アップルタウン物語、買ってプレイしたことはないのですが、確かゲーム雑誌かなにかで「キャラクターがトイレに行く」というのを目にしたのを覚えています。ゲームというバーチャルな空間と、その中における現実感というミスマッチが印象に残った理由なのかも知れません。

ところで、どらおさんのブログも私のブログ上にRSS登録させていただいてよろしいでしょうか?自分のページからこちらに直接飛べると訪問しやすいので(笑
by kncafe (2009-06-06 22:44) 

どらお

kncafeさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
えっとですね、
上にはあんな事を書いてますが、
明らかにスパムとか
根拠のない誹謗中傷じゃない限りは
コメントを削除しておりませんので、
他の記事にもコメントは付いてなかったです。
たぶんですが
ここもたまに重い時があるので、
それで反映されなかったのかも知れません。
ご迷惑をかけて申し訳ないです(汗)。

トイレと言えば、
このくまたんも行くんですよ。
改装するとドアの隙間から見える便器も
洋式とかになってたりして。
確かにトイレは現実感が強いですね。

それからRSS登録ですが、
よろしくお願いします。
自分でリンクから訪問って使い方が
案外便利なんですよね。
by どらお (2009-06-07 00:09) 

kncafe

いえいえそんな。
私が送信ボタン押し忘れただけっていう可能性も高いので・・・。
ご丁寧にありがとうございます。

くまたん・・・!
そのチラリズムにココロ動かされました。
もともとは和式なんですね?(笑

RSSの件もありがとうございます。
早速リンクさせていただきますね。
by kncafe (2009-06-07 14:28) 

どらお

kncafeさん、
リンクありがとうございました。

トイレはですね、
そうなんですよ。
ぼろい和式という・・・。
改装用で
ぼろくない和式というのもあるんですけどね(笑)。
by どらお (2009-06-08 00:46) 

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