ファントムクラッシュ(元気) [Xbox]
(ストーリー)~2031年、気候を制御する試みが失敗に終わり廃墟と化してしまった東京。新宿、渋谷、ベイエリアの3ヶ所で行われているランブリング(=戦闘機械同士によるショー化した模擬戦)に新人がデビューした。~
詳しい説明は省かせていただくとして、まず特筆すべきなのが、戦闘機械に搭乗してドンパチやっているにもかかわらず、血生臭さをあまり感じさせないところです。戦争や政治的陰謀、秘密任務などが全く出てこないスポーツのような戦いなので、文字通りゲーム感覚な戦闘を無邪気に楽しめます。
お話は、ある少女と機械の愛情(恋愛にあらず)が軸にあり、主人公もある程度関わるのですが、こちらからは積極的な働きかけもできず、他にも個性的なキャラが出てくるため、迷える若者たちの群像劇といった印象を受けました。
個人的には、素晴らしい能力を持っていながら格下相手にそれなりのバトルをして漫然と暮らすロイという優しい(弱い)出来すぎた少年が、トップを目指して邁進する主人公に触発されて子供の頃の夢を再び思い描く、という話が気に入っています。おバカなようで芯のしっかりしたシンクも愛すべきキャラクターでした。
なお、キャラがあまり動かず声も無いというチープなつくり(だけどトゥーンシェイドらしい)でしたが、台詞がいちいち面白い上にルビも変に気が利いている(「夢」に「バブル」など)ので、こうやって振り返るまで全く気になりませんでした。
難点といえば、よくある少年漫画やRPG同様、話が進むにつれてインフレ気味に彼我の戦闘力が強大になってしまうことでしょう。一応、機体が重くなると速度やジャンプ力が落ちますが、火力を上げるメリットのほうが断然大きいので、ほとんどの場合重量化に進んでしまうでしょう。
実際、終盤の相手はかすっても大ダメージを受けてしまう程の武装が施されている為、ある程度は装甲を厚くしないとどうにもなりません。
あと、うまく表現されている光学迷彩も、アクティブソナーに引っかかる上に空気の歪みや土ぼこり等で視認できるため、本来期待される役割はあまり果たせず、追尾ミサイルのロックをはずすのが主な使い途という体たらくで、勿体なかったです。
正直なところ、もっと褒めちぎりたい作品です。アクションゲームで何十時間も熱中して遊ぶなどとは、プレイ前は夢にも思っていませんでしたが、エンディング後も遊びたくなってしまう中毒性がありました。
音楽も、作品世界の根幹を成す電網アイドル・モナリザをはじめ多岐にわたっており、さながらジュークボックス(今のXboxには禁句?)のようでした。
残念ながら、ファントムクラッシュは埋もれた良作になってしまいましたが、根強い支持者の存在のお陰か、続編が出る事になりました。
PS2で。
(毎日ゲームクエストに投稿した物を一部修正しました)
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